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【10億分の4秒速く進むスカイツリー】とは?わかりやすく簡単に考えてみた

4月6日、東京大学の教授が、驚くべき論文を発表しました。

論文によると、スカイツリーの展望台では、地上よりも1日に10億分の4秒、時間が速く進んでいるとのこと!

アインシュタインの一般相対性理論を実証する、世界初の成果です。

このロマン溢れる事象について、一体どのようなことなのか、凡人の私でもぜひ理解したく、詳しく調べてみました!

スカイツリーの展望台では10億分の4秒速く時間がすすむ

論文の発表

発表された内容は以下のとおりです。

高さ450メートルの東京スカイツリー展望台の時間は地上よりも1日に10億分の4秒(4ナノ秒)速く進んでいることを、超精密時計「光格子時計」の観測で確かめたとする論文を、香取秀俊東京大教授(量子エレクトロニクス)らが6日付ネイチャーフォトニクス電子版で発表した。

重力が大きいと時間の進み方はゆっくりになるという、アインシュタインの一般相対性理論を実証する内容。センチ単位の高さの変化を測って、地震や噴火に伴う地面のわずかな動きを監視する応用が期待されている。香取氏は今回の成功を受けて「実用化にめどが立った」と述べた。

産業技術総合研究所の安田正美研究グループ長は「世界初の成果。(香取氏は)ノーベル賞に近づいた」と評価する。

https://www.nikkei.com/

なんだかとてもすごい発表のようですが、完全に文系の私にはいまいち理解が難しいです。

まず、1日に10億分の4秒とは?について詳しくしらべました!

1日に10億分の4秒とは?

東京大の加藤教授らは、まず小さく改造した光格子時計を使って、スカイツリーの展望台と地上に1台ずつ設置したそうです。

ちなみに光格子時計とは、”レーザー光を交差させた格子状空間に閉じ込めた多数のストロンチウム原子の振動を計測する方式を用いる時計”だそうです。

光格子時計の誤差はなんと160億年に1秒。

なんのこっちゃですが、まずはこの超ハイスペックな時計ができたことによって初めて確かめることのできた事象であることは間違いなさそうですね。

そしてその実験により、展望台の時計では1週間平均で1日当たり4ナノ秒(10億分の4秒)速く進んでいることを実証

ごくわずかな重力の違いによる影響を、たしかに確認することができたようです。

ちなみに、スカイツリーの展望台の高さは456.3メートル。

つまり約110メートル地上から離れるごとに、1日当たり10億分の1秒速く進んでいるということですね。

今回の成果を実用化すると?

今回の成果は、今後の実生活にどのように生かされるのでしょうか?

現段階では、センチ単位の高さの変化を測って、地震や噴火に伴う地面のわずかな動きを監視する応用が期待されているそうです。

つまり地面の下に行けば行くほど時間は遅いので、地表との違いから、地震や噴火の予兆をある程度予測することが可能、ということですね。これは地震大国日本にとっては希望の光です!

そして今回の成果が、アインシュタインの一般相対性理論を実証するものとなり、ノーベル賞に近づいたのでは?との声もあるようです。

ん?そもそも、アインシュタインの一般相対性理論てどのようなものなのでしょうか?

アインシュタインの一般相対性理論

相対性理論には2種類あります。

一つが、アインシュタインが1905年に発表した、特殊相対性理論

この理論では、「光の速さは絶対的に、常に一定、常に不変」ということを示しました。

そしてもう一つが、同じくアインシュタインがその約10年後に発表した、一般相対性理論です。

これは、特殊相対性理論の光速度不変の原理をもとに考えたもので、絶対的な光とは違い、時間は人によって流れ方が違うと明らかにしました。つまり、時間は相対的なものだと示したということです。

光は基本的に真っ直ぐに進みますが、その線上に重力の強い空間があると、くぼみができます。光はそのくぼみに沿って曲がって進むので、その分、余計な時間がかかるのです。たとえば、環境条件で類似点が多いとされる火星と、地球での暮らしを比べてみましょう。

火星の重力は地球よりもわずかに軽いので、もし火星で暮らすことができれば、今よりもカラダが軽く感じられるでしょう。

では、時間の速さはどうなるでしょう? 一般相対性理論で考えると、”相対性”なのでどちらの惑星にいてもそれぞれの1秒の感じ方は同じですが、地球の1秒を基準にすると、重力が軽い火星の1秒は速く見えます。さらに言えば、地球の1日は24時間ですが、地球から見ると火星では24時間以上経過しているように見えるでしょう。

https://www.lifehacker.jp/

つまり一般相対性理論とは、簡単に言うと「重いもの、つまり重力が強いもののまわりでは、時間が遅く流れる」ということのようです。

今回の実証がノーベル賞級なのはなぜ?

アインシュタインの一般相対性理論を何となく理解できたところで、今回の実験がそれを見事に実証したことがわかりました。

ただ今回のような実証は、これまでに例がなかったわけではないようなのです。

それではなぜ今回の実証が「ノーベル賞に近づいた」とされているのでしょうか?

この問について、わかりやすく述べてくださった方がいました!

超超ハイスペックな光格子時計を、持ち運びサイズにまで改造できたこと

約450メートルという僅かな距離でも時間のズレを計測できたこと

この点が世界から注目されている由縁というわけです。なるほど!

これらのことによって、先に述べたような実用化の可能性が出てきたことがすごい!というわけですね。

精密さ、正確さでは世界一と言われる日本の誇るべき技術力が試されたというわけです。日本人として、なんとも誇らしい限りですね。

まとめ

スカイツリーの展望台では、地上よりも1日に10億分の4秒、時間が速く進んでいるという、日本の研究者たちが導いた実証についてお伝えしました。

それにしても、約100年前の時代に、この相対性理論を唱えたアインシュタイン、やはり天才中の天才としか言いようがないですね。

新型コロナで何となく重苦しい空気が漂う今日この頃、人間の想像力・思考力、そして日本の素晴らしい技術力に、少し希望を持つことができました!