安倍首相が29日、新型コロナウイルスの影響による休校長期化を踏まえ、”9月入学・進級”の導入について前向きに検討する姿勢を示したということです。
いざ新学期が今後9月に変わった場合、学校の現場や子どもたちにはどのような影響があるのでしょうか?
そのメリットとデメリットについてまとめました。
9月入学・新学期ってどういうこと?
教育機関が9月スタート
現在4月である教育機関の入学進学月が、9月になるということです。
今年変えた場合、来年以降もずっとその制度になるでしょう。
保育園・幼稚園・小学校・中学・高校・大学・専門学校、全てが一斉に変わる必要があると思われます。
欧米では9月スタートがスタンダードです。
それでは具体的に、アメリカの大学の1年間の流れを見てみましょう!
アメリカの大学の例
8月下旬 入学式・新学期(秋学期)スタート
12月中旬 冬休み ※規模の大きい大学では1月から冬学期スタート
1月下旬 春学期スタート
3月中旬 春休み(約1週間)
5月中旬 卒業式・修了式
以上がアメリカの大学の1年間の流れの例です!
現在の日本と比べると、あまりにも違いすぎて感覚がつかみにくいです。
年度が終わると、約3ヶ月もの休暇期間があります!
日本でも同じ流れが採用されるとすると、卒業旅行にはもってこいの期間だし、なかなかよいのでは?と思ってしまいます。
欧米のように、バカンスに合わせて企業も有給休暇を多く取得できるようになれば、日本人の働きすぎ問題も解消されたりして?
9月入学・新学期案に対する世間の声
9月入学が現実の物になるとしたら、
今後 入学式や卒業式は夏服半袖で臨む行事になる ということですか?! pic.twitter.com/cyqkzqvnpO
— LussaPedersen (@LussaPedersen) April 29, 2020
9月入学に反対の立場から
入試改革に翻弄された高3としては急進的な教育制度変更には強い不信感を持っています。わずか4か月で社会の慣習を何の問題もなく転換できると思いますか?
そもそも今の第一課題は感染を収束させることで、そんな時に4ヶ月で教育制度に対して十分な議論ができるわけないです。— 尾根 (@mai_tz) April 28, 2020
#9月入学 #浪人生にはごめんなさい
9月入学反対って言ってる大人たちいっぱいいるけど大人からしたら色々遅れるし、制度も色々変わってめんどくさいかもしれないけど
"部活、文化祭、体育祭、友達との会話"などの貴重な学生生活がどんどん削られていってるおれたち高校生の気持ちもわかってほしい pic.twitter.com/2BOYatcoKm— yamato (@yamato33477906) April 29, 2020
9月入学と簡単に言うが、私立学校にとっては、1年生から段階的に移行するなら収入の1/8を4年間、全学年を移行するなら1/2を失うことになるんだよ。
— ITO Toshikazu (@toshiitoh) April 29, 2020
人によって意見や浮かぶ疑問は本当にそれぞれのようです。
特徴的だったのが、普段あまり政治に関して我関せずな学生世代が、当事者であるだけあって、この件に関してはかなり真剣に議論していることが伺えます。
そして9月入学に対して誰もが思う疑問が、以下の文に書かれていました。
https://twitter.com/009009fcy/status/1255375170811965442?s=20
今年新学期が始まった学生たちがいったいどの年度に属することになるのか、皆疑問ですよね。
この疑問に対しても、世間の人々はそれぞれ予想をしています。
9月入学。グローバルスタンダードは賛成だけど、これ、2021年入学組はずーっと1.4倍程度の人数でいくんだよね?そしたらこの年代の子達は就職の倍率がヤバいんでは…。その年だけ企業が多めに求人出してくれる訳ないよね?
— (°▽°)! (@NikoHamuko) April 29, 2020
途中で頭かゆくなってきたんだが、やるならこういうこと? 間違ってたらすんません💦#9月新学期 #9月入学 pic.twitter.com/pe8A9VAXnR
— 勉三パパ・中学受験2024 (@juken2024) April 29, 2020
考えれば考えるほど、未知の世界の9月入学案。
それではいざ9月入学にした場合のメリットとデメリットは一体どんな事があるのでしょうか?
9月入学のメリット・デメリット
メリット
教育格差がなくなる
休校がこのまま長期化していくと、オンライン授業がうまく進み質の良い教育が受けられる子どもたちと、そうでない子どもたちが出てくるかもしれません。
教育格差がすでに生まれているところもあるかもしれません。
コロナがおそらく落ち着くかと思われる9月に新学期を一斉に始めることによって、すべての子供達が等しく平等に教育を受けられるようになるかもしれません。
4月からの学生生活が大変なことになり、この先どうなるのかと不安にかられる学生や家族たちも、9月からの仕切り直しと思えば少し気が楽になりますかね。
グローバル・スタンダード
海外では9月入学・新学期が主流となっています。
日本もそこへ合わせることで、留学がしやすくなり、優秀な留学生も受け入れやすくなります。
受験シーズンが良い
1~3月の受験シーズンは、毎年インフルエンザの流行や、大雪の影響による交通機関の乱れなど、受験生やその家族の頭を悩ませる問題が山積みでした。
9月入学により、受験シーズンは初夏~夏の時期へ。
デメリット
教育関係者の負担
もし今年の9月から新学期が始まると決定した場合、教育関係者は大変な労力と時間と知恵と工夫とを必要とします。
今後の新しい教育の流れの石杖を築くため、ここは教育者の方々に自分たちを犠牲にして頑張っていただくしかありません。
今年度の学生の問題
上記のTwitterでの世間の声でも多くあったように、今年度の学生の問題は山積みです。
今年度の学生数が以上に多くなる可能性、そして今年度の学生の学費負担が増える可能性があります。
この件は慎重に検討していかなければならない問題であると思います。
企業の人事異動とずれる
現在の企業は4月が新しい年度の始まりであり、3月には人事異動もあります。
子どもの学生生活とずれることで、引っ越しの問題などが出てくるかもしれません。
企業も学校に合わせて9月始まりに変えるとなると‥予算や決算など、大幅に変更しなければならない点が出てきそうです。
桜の時期の卒業・入学がなくなる
これは日本人として、実は隠れた一番のデメリットのような気がします。
今までの桜と共に成長してきた日本の文化が崩れることは、日本人のアイデンティティの一つを失うようで、寂しいです。
まとめ
新型コロナの影響による休校長期化に対しての、『9月入学・進級案』についてお伝えしました。
今はコロナの感染防止策が大切で、9月入学なんて論じている場合じゃないなんて声もありますが、学生の行く末をいち早く決定し、国民を安心させることも、同時進行で大切かもですね。
メリット・デメリット様々ありますが、最善の方法がどうか見つかりますように!